私は生きる 1,2



 大地に雹が降り イラクサは死なず
雪国の屋根のトタンはボロボロ 氷点下
台所に雪が積もっていた 私は生きる

幼少のとある日 火事が起きた
火事で亡くなった人を50年ぶりに お盆に忍ぶ 
その遺影は少年だった 私は生きる

理不尽と因習 あらゆる不幸な村 町共に寂れた
栗を拾い売り生計を立てた 終の棲家 今はなし
私は生きる

高校進学が珍しく また世間に罵られたと父の述懐を思い出す 
農家を継ぐ者がなく 
我が家に田と畑だけがとり残された 私は生きる

いいことは うれしいことは
夏稲穂が実り 8月のお盆の頃 秋風と蜻蛉が訪れる
縄文時代を思い出す 私は生きる

郷里の兄が究極の祖先を探す
嶺桃芳春 天明4年徳川家治・家斉の頃 235年前没す
私は生きる

キーツ イェイツ シェイクスピア
イギリス名詩選 読めど 980円の価値なし
古典に躊躇う 私は生きる

昭和万葉集を読んだ
昭和の万華鏡だった それは戦争の歴史だった
戦争に正しい答えなどない 私は生きる

親も死んだ 愛犬も亡くした
同級生にも死んだ人が出ている 本当なのか
信じられないがいつも私のそばにいる 私は生きる

父の兄弟は9人 一番末の弟が
フィリピンのラグナ湖の南 バナハウ山で戦死
五四三(ごしぞう)は享年24歳 私は生きる


20世紀は映像の世紀という 明治以降の2度の戦争と
紛争による世界の死者7,466万1000人と私は数えた
だが粛清の犠牲者も入れればこの2倍にもなる 私は生きる

人 人類 部落市町村区郡県 国家共同体
神 仏の言葉教えを悪用する 地上地球の最悪 猿の群れ
それでも 私は生きる

アジア アフリカ ヨーロッパ 東南アジア 西アジア
中東 西南アジア アメリカ 北極 南アメリカ
住むに適した地はない それでも 私は生きる

大統領 首相 総書記 大佐 市町村長県知事 各種議員
みないらないね
私は生きる

神の過ち 仏の過ちと言えば気分を害する人がいる
しかし 過ちは正すためにのみある  
空手形に 勇気を持ってこう私は言う 私は生きる

イスラエルは地中海死海に沈むのか
イスラエルは人跡未踏の原野になるのか
私は知らない 私は生きる

この世は大きな嘘との戦いである
大きな嘘は真実 真実は巨大な嘘
摩訶不思議だが 私は生きる

敬虔な心情 信仰を乱すべきでない
何者 何物がこうつぶやいた
それもそうだと思う なにはともあれ 私は生きる

あるサイトに生きている限り書く
そういう人がいた それはいいが
礼節がなければ獣にすぎず 私は生きる

恩ある人々は20人を超えていた
その時々にした仕事を思い出す 恩返し 何一つ出来ず
悔いと積年の憂いあり そう言いつつ 私は生きる